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Activity

デジタルヒューマン・ワークショップ2006

今回のワークショップは「人に合わせるデジタルヒューマン」技術がメイントピックです。午前の部はファッション・オン・デマンドと最新の人体形状計測技術に、午後の部はこれまで開発して来た手・足・全身の個々のモデル化技術と、これらの統合モデルであるDigital Human-Aided Basic Assessment(Dhaiba)システムの開発に関する講演を予定しております。当日来場の方には、Dhaibaシステムの体験版CD-Rを配布予定です。また、恒例となりました「オープンハウス」もありますので、是非ともご参加下さい。

新着情報

開催概要

日時: 2006年3月3日(金)
10:10-17:00 (講演会), 17:00-18:30 (オープンハウス)
場所: 講演会 日本科学未来館 みらいCANホール
オープンハウス 産業技術総合研究所臨海副都心センター3F
いずれも、東京・お台場(ゆりかもめ・テレコムセンター駅5分)
産総研臨海副都心センター 交通案内のページへ
参加費:無料
主催: 独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
独立行政法人 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター

タイムテーブル

以下のタイムテーブルは変更される可能性がございます。
太文字の講演タイトルをクリックすると講演概要を表示します。

9:30受付開始
10:10~10:25 開会挨拶
 金出 武雄 (デジタルヒューマン研究センター)
On demand fashion
10:25~11:10 招待講演
「Mass customization in the clothing industry」
 Nadia Magnenat Thalmann (MIRALab-University of Geneva)
11:10~11:30 「オンデマンドファッションのための人体計測とモデリング」
 河内 まき子 (デジタルヒューマン研究センター)
11:30~11:50 招待講演
「オンデマンド市場創成のためのヒューマンメトリクス計測技術」
 佐藤 幸男 (慶應義塾大学)
11:50~12:10 「ステレオ法による歩行中の足の特徴断面の形状計測」
 木村 誠 (デジタルヒューマン研究センター)
12:10~13:30昼休み
Hand and body modeling
13:30~14:15 招待講演
「ACT Hand: An Anatomically Correct Testbed to understand and assist humans」
 Yoky Matsuoka (Robotics Institute, Carnegie Mellon University)
14:15~15:00 招待講演
「ヒトとロボットの触覚・感覚・心」
  前野 隆司 (慶應義塾大学)
15:00~15:20Coffee Break
15:20~15:40 「Digital Human Aided Basic Assessment System: DHAIBA」
 持丸 正明 (デジタルヒューマン研究センター)
15:40~16:00 「手のモデル化と応用:DhaibaHand」
  宮田 なつき (デジタルヒューマン研究センター)
16:00~16:20 「Tactile Simulator for Product Design and Haptics Study」
 多田 充徳 (デジタルヒューマン研究センター)
16:20~16:40 「乗用車の乗り込み動作戦略分布の可視化と代表動作の合成」
 川地 克明 (デジタルヒューマン研究センター)
16:40~17:00 総括・閉会挨拶
 金出 武雄 (デジタルヒューマン研究センター)
17:00~18:30 オープンハウス: DHRC見学会

日本ロボット学会 ロボット工学セミナーのお知らせ

デジタルヒューマン・ワークショップの前日(2日(木))に、同じくお台場の産総研臨海副都心センターにて、日本ロボット学会 ロボット工学セミナーが開催される予定です。 同セミナーの一部として前日(2日)の午後4時頃からデジタルヒューマン研究センターの見学会を予定しております。 3日の見学会にご都合がつかない方で、前日からお越しの方は、こちらの見学会に参加いただくことも可能です。

Dhaiba 体験版CD-R配布について

Dhaiba (Digital Human AIded Basic Assessment system)

デジタルヒューマン研究センターでは、人間の機能をモデル化する研究を進めています。 足や顔の形、全身運動、手の構造、運動など要素技術を研究し、いくつかの技術は市販システムに組み込まれています。 しかし、これらの要素技術を個別にアウトプットするだけでは、われわれの研究目標全容を把握しにくく、また、技術のアウトリーチも進まないと考え、2005年10月から、これらを統合した人体モデルの開発をスタートしました。 そのプロジェクト名が「Dhaiba (ダイバ)」です。

個別に開発してきた全身寸法・形状、関節中心推定、肩関節モデル、リアルタイム運動生成、手の構造、把持動作生成などのモデルを可視化プラットフォームに統合しました。 まだまだ荒削りの成果ですが、われわれの方向性を示すために、あえてサンプル版として当日来場された方々に配布することにしました。 これは、いわゆるコンピュータマネキンソフトウェアのような機能は持っておりません。 科学的なデータと証拠に基づいて精度良く機能を再現できる人体モデルの研究を、みなさまが触れるような形にまとめたものです。 今後もこのような形で、成果をリリースしながら、さまざまなシステムへの組込みを目指して協力・連携していきたいと考えております。

Dhaiba Sample
※画像をクリックすると大きいサイズの画像を開きます

講演概要

Mass Customization in the clothing industry
Nadia Magnenat Thalmann

More and more, people would like to be able to see themselves and virtual try on a collection of clothes on internet. This can be done today but not in an automatic way. What is needed to make it automatic for users is to be able to have automatic body measurements, automatic skeleton and fitting procedures and deformations while the body is animated. Today, no such software is available. Research is being done on automatic data capture with skeleton positioning and skinning. Skin retargeting is also a research issue.
From the clothes point of view, we need to accelerate the physical engine in order to produce clothes in Real-Time. That means that several clothes research aspects have to be tackled and also the automatic resizing of clothes dependent of the change of a body size. We will present the research we lead at MIRALab, University of Geneva, since more than 15 years in the simulation of bodies and clothes. We will also speak about two major European research projects in which we are partner: Leapfrog and e-taylor.

オンデマンドファッションのための人体計測とモデリング "3-D anthropometry and homologous modeling of human body for on-demand-fashion"
河内まき子

からだを測って個人にフィットした製品を提供するオンデマンドビジネスにおいて、人体形状を測り、人体形状から着装品を選ぶ・作る・推薦するなどの場面で、人体形状や感性のモデリングが有効である。 ここでは人体形状の相同モデリングと形状に合わせたタイプ別製品開発例として顔形状の分類とタイプ別の眼鏡フレームを紹介する。 また、個人にあわせて着装品を選ぶ場面における応用例として顔に似合った眼鏡を推薦するための感性モデリングについて紹介する。

オンデマンド市場創成のためのヒューマンメトリクス計測技術
佐藤幸男

人体の3次元形状計測手法とその応用技術について述べる. 3次元形状を高速かつ手軽に計測する3Dカメラを人体の周囲に複数配置することによって人体形状を計測する. 3次元人体形状を利用する様々な応用技術をヒューマンメトリクスと称し,そのいくつかの事例を紹介する. オンデマンドサービスはその主柱の一つをなす重要な応用事例のひとつである. ユーザのデータの計測と集積そしてそのデータベース化,配信などを行うヒューマンメトリクススタジオについてもその概要を述べる.

ステレオ法による歩行中の足の特徴断面の形状計測 "3D Cross-Sectional Shape Measurement of Foot while Walking"
木村誠

現在,人体計測を行う装置は商品として数多く存在しているが,それらの多くはレーザスキャンを行ったり,何らかのパターン光を切り替えながら投影したりするものであり,原理的にデータ取得作業に数~数十秒程度の時間を要する. つまり,計測対象の人物は静止することが要求されており,動作中の形状計測は不可能であった.
我々は,同期した複数のビデオ・カメラを用いることによって,ステレオ・ビジョンによる歩行中の足の形状計測が可能であると考え,システム構築を行っている. 本研究の最終目標は歩行中の足の形状を計測することであるが,当面は「ボール」「インステップ」「ヒール」と呼ばれる足の特徴断面に着目し,それら特徴断面に予め線を引いた状態で歩行・撮影を行い,複数動画像から各特徴断面形状の復元を行っている. 現在は,静止状態を対象とした既存システムと比較可能な精度での特徴断面計測が可能になっている.

ACT Hand: An Anatomically Correct Testbed to understand and assist humans
Yoky Matsuoka

In the Neurobotics Laboratory at Carnegie Mellon University, robotic models and environments are used to understand the biomechanics and neuromuscular control of human limbs. In parallel, robotic systems are developed to augment, replace and rehabilitate damaged sensorimotor functions. In this talk, the Anatomically Correct Testbed (ACT) Hand, a prototype of a seamlessly integrated prosthetic hand, is introduced. Descriptions of the testbed design and how the ACT Hand is used to understand the neural control strategy of the high-degree-of-freedom redundant human hand are presented.

ヒトとロボットの触覚・感覚・心 "Tactile Sensation and Mind of Humans and Robots"
前野隆司

講演者は元来ハードウエアとしての触覚の研究を行っていたのであるが,興味は次第に感覚や心へと広がり現在に至っている。 これは,システムとしての感覚に学ぶことが,必然的に心の問題を含まざるを得ない問題であるからであると考えている。 デジタルヒューマン研究もそのような可能性を秘めていると考えられる。 このため,本講演では,私の研究履歴を例に,触覚・感覚・心の研究について述べる。
まず,ヒトとロボットの触覚研究について述べる。 すなわち,ヒトの指腹部は触覚情報を検出し易いような構造になっていることを述べる。
次に,ヒトの触覚に学んだ触覚センサ研究の例を示す。 すなわち,把持力制御のための局所滑り情報検出用弾性触覚センサおよび触感検出のための指紋状突起を有する柔軟触覚センサについて述べる。
次に,触覚ディスプレイの研究について述べる。 すなわち,局所滑り情報を振動刺激として呈示することによりヒトが無自覚的に把持力調整反射を起こすことや,超音波触覚ディスプレイによってヒトに触感を呈示できることを示す。
最後に,触覚研究からのアナロジーに基づいて構築したヒトの心の構造についての仮説を述べる。

Digital Human Aided Basic Assessment System: DHAIBA
持丸正明

設計段階での製品仮想評価にデジタルマネキンが活用され始めている。 デジタルヒューマン研究センターでは、次世代のデジタルマネキンに「寸法・形態学的に正確で、アクティブに活動し、人間の被験者のように心理評価する」機能が必要であると考え、これらを具現化するための要素技術研究を進めてきた。
第一には全身人体モデルについて、自動車企業・住宅関連企業・コンピュータマネキン開発企業とコンソーシアムを形成し、(1)人体機能寸法の再現、(2)運動の自動生成、(3)人間のような製品評価構造の模擬に関する要素技術開発を行った。
さらに、手の詳細モデルについて、スポーツ用品企業、包装品企業などと個別に連携して、手の寸法・構造・形状と把持姿勢の再現の研究を進めるとともに、有限要素モデルを活用した摩擦と触覚の研究を進めてきた。
デジタルヒューマン研究センターでは、これらの要素技術を、システム開発企業にライセンシングするとともに、われわれ自身でも、要素技術を統合したヒューマンシミュレータを作り、具体的なかたちで提示することとした。 それが「Dhaiba」である。
すなわち、Dhaibaは、デジタルヒューマン研究センターを中心として進められてい る形状・構造・運動・変形・摩擦・心理評価に関する要素モデルを1つの統合された可視化プラットフォームに組み込んだものである。
今回は人体形状データベースに基づく平均人体モデルと、機能的関節中心、リアルタイム運動生成、手の構造モデルと把持姿勢生成技術を統合したDhaiba Version 1を発表する。 今後も、多様な体型生成機能、指先の摩擦や変形を模擬する機能、心理評価構造モデルなどの要素技術を組み入れながら発展させていく計画である。 人間の形をしたテンプレートをデジタル化してCADに取り込むことでスタートした「コンピュータマネキン」から、人間機能をモデル化しCAD内で人間の働きを再現させることを目指す「次世代ヒューマンシミュレータ」への変革が、Dhaibaの目標である。

手のモデル化と応用:DhaibaHand
宮田なつき

デジタルヒューマン研究センターでは,手で扱いやすい製品の設計に役立てることを念頭に,形や構造から指先の詳細な変形まで,正確な計測に基づき,ありうる個人差を再現可能な,手の計算機モデルの構築に取り組んでいる(DhaibaHand).
ここで,モデルに必要とされる精度は,モデルの応用目的により異なる.
操作時の周辺との干渉チェックやボタン配置設計などの場合,多様な形状や 動作を1~2mmの精度で,デジタルカメラのスイッチ操作感などの場合,接 触箇所での挙動をサブミリオーダーの精度で,模擬することが求められる.
ここでは当研究センターにおける取り組みのうち,前者の,形と動きの多様 さを模擬する取り組みについて説明する.

Tactile Simulator for Product Design and Haptics Study
多田充徳

手で扱う工業製品の操作性を計算機上で事前評価するためには,指先の接触に伴い発生する変形と摩擦を定量的に予測する必要がある. 本講演では,個人差を考慮した指先有限要素解析を行うための,形状・材料・摩擦のモデル化技術について概説する.
はじめに,形状の個人差を再現した有限要素モデルを生成するための手法を提案する. 基準モデルを変形させることで個人形状を再現する手法であり,皮下構造も考慮した個人別有限要素モデルを高速に生成することができる.
次に,材料特性の個人差を推定するための反復有限要素解析手法を提案する. 実測した指先変形を再現可能な材料定数を,有限要素解析を繰り返し行うことで計算する手法であり,皮下組織についても大変形を考慮可能な材料定数を推定できる.
最後に,凝着部のせん断力と掘り起こし力に着目した指先摩擦モデルについて説明する. クーロン摩擦では取り扱うことのできない,接触面積や対象表面凹凸の変化も考慮した摩擦力の推定を行うことができる.

乗用車の乗り込み動作戦略分布の可視化と代表動作の合成 "Visualization and Classification of Strategy for Ingress"
川地克明

人間が自動車に出入りする時の乗降性を設計の初期段階において計算機上で評価することによって、設計期間の短縮と試作コストの削減が期待できる。 デジタルヒューマン研究センターでは、計算機上にデジタルマネキンとして人間の身体構造を表現することによって仮想試作を行う研究を推進している。
本研究では、乗用車の座席位置や扉の形状が乗降者の動作に与える影響を予測することを目的とし、異なる扉と座席配置に対する乗りこみ動作を計測し、これらを互いの動作類似度によって動作分布図上に配置することで、設計者がありうる乗り込み動作の分布を対話的に閲覧することを可能にした。 また、こういった分布図上での動作グループを代表する動作を計測された動作データ群に基づいて即座に合成し、設計者に提示する手法を開発した。