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メンバーイメージ 西田 佳史 (Yoshifumi Nishida)

所属(部署名は当時)

独立行政法人 産業技術総合研究所
デジタルヒューマン工学研究センター
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履歴

略歴
1993年3月   東京大学 工学部 機械工学科 卒業
1995年3月   東京大学大学院 工学系研究科産業機械工学専攻 修士課程修了
1995年4月~1998年3月   日本学術振興会 特別研究員(DC1)
1998年3月   東京大学大学院 工学系研究科機械工学専攻 博士課程修了 博士(工学)
1998年4月   通産省 工業技術院 電子技術総合研究所入所
2001年4月   改組により、産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究ラボ 研究員
2003年4月   改組により、産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター 研究員
2003年4月~   産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター 人間行動理解チーム長
2005年10月~   産業技術総合研究所 主任研究員
2005年10月~2011年3月   科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CREST) 研究代表者
2009年4月~   産業技術総合研究所 サービス工学研究センター 大規模データモデリング研究チーム員 兼務
2010年10月~   産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター 生活・社会機能デザイン研究チーム長
2010年10月~   産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター 傷害予防工学研究チーム員 兼務
2011年10月~   産業技術総合研究所 上席研究員

助成金

研究に参加した学生・外部研究員が獲得した賞・助成金

受賞

Research Interest

日常生活における製品による事故や、個々の環境や人に対して適切に個別化された製品設計の困難性の問題の最深部には、日常生活という複雑システムを扱う科学技術が未成熟であるという共通問題があります。そのままでは不確実で手に負えない日常生活現象を、観測可能、設計可能、制御可能にするための方法論(技術体系と社会体系)の確立を大きな目標にして、生活デザイン研究(共通基盤化研究)と傷害予防工学研究(実践的研究)とを両輪として研究を進めています。

私たち人間は、日常生活を営む上で、実に様々な行動をとっています。量子論や宇宙論といった自然科学分野には、大抵の現象をうまく説明し、再現できるような「標準モデル」が存在していますが、日常生活現象の標準モデルと呼びうるものは未だ存在していません。本当に,日常生活のモデルを作成することは可能でしょうか。 あらゆる人間情報科学(モデルの開発)の発展は、観察技術を抜きに語れません。 例えば、脳現象観察のためのfMRIの出現が、脳還元主義的計算論(脳科学のレベルから現象を記述することが良いこと)とも呼べる強大なパラダイムを生み出してきました。一方、近年。全空間的物理現象センシングを可能とするユビキタスセンサ技術、全世界的社会現象センシングを可能とするインターネット技術といった全く新しいタイプのセンシング技術を人類は手にしつつあります。これらのセンシング技術や大量情報処理技術を背景として、「日常生活インフォマティクス」とでも呼べる新しい人間情報処理科学が始まりつつあり、日常生活の標準モデルといった課題に挑戦できる土壌が整ってきていると考えています。このような観点から、1)ユビキタス型・インターネット型センシング技術を用いて人間活動を観察する技術や、それによって、これまで困難であった人間行動を定量化する技術、2)得られた定量的データによって可能となる人間行動のメゾスコーピックな計算論(表現とアルゴリズム)を構築する技術、さらに、3)これらの技術を用いることで,事故や生活習慣によって生活機能を低下してしまうことを予防し、自分が望む日常生活をエビデンスベースドにデザイン可能にする技術の研究を進めています。

日常生活の情報科学(日常生活インフォマティクス)が強く求められている分野に、事故予防の分野があります。例えば、子どもの事故の場合、先進諸国同様、日本における1歳以上19歳以下の子どもの死亡原因の第一位は、事故(Unintentional Injury)である。子どもの事故を予防するには、1)日常生活で生じる事故データや子どもの行動データを収集する技術、2)大量情報から事故や行動の因果構造をモデル化し、再利用可能な知識を抽出する技術、3)対策法を普及させたり、安全知識を普及させる情報発信技術が不可欠です。このような技術を扱う子どもの傷害予防工学では、日常生活インフォマティクスが必要とされている研究領域であるとともに、日常生活インフォマティクスを発展させるための豊かな土壌でもあります。子どもの事故予防学を推進するための研究グループとして、子どもの事故予防工学カウンシル(Childhood Injury Prevention Engineering Council: CIPEC(代表:山中龍宏))を2006年に設立し、小児科や法医学の医師・看護婦をはじめとする医療関係者、情報工学・人間工学・人工知能・ロボット工学・インパクトバイオメカニクス分野の研究者、自治体、保護者、保育園、関係省庁の担当官、メディアなどの構成メンバーで研究開発を進めています。子どもの事故予防工学カウンシルでは、実践的研究を通じて、これまでに安全知識循環型社会の概念を提唱し、その実装を進めてきました。2010年からは、デジタルヒューマン工学研究センターに、傷害予防工学研究チームを新たに発足し、技術開発とその社会実装を進めています。

生活デザイン研究では, 人間の生活機能と計算機や人工物による生活支援機能とを有機的に組み合わせ再構成することで,人の日常生活をデザイン可能にする生活機能構成技術を確立することを目的に研究を進めています。生活デザイン研究(生活支援の設計工学)の難しさは、生活の科学が不在、すなわち、日常生活を記述し、再利用可能な知識として扱えるようにする科学が不在であることに起因しています。これは、傷害予防の場合と共通の問題です。そこで、人間の生活現象を,心身機能,活動機能,そして社会参加機能の側面から捉え,生活機能構造を解明するなど、生活を科学的に取り扱うことを可能にする研究を行っています。また、この研究によって開発した生活機能モデルと、知能メカトロニクス(IRT)コンポーネントを用いて生活機能を再構成可能にする工学の研究,さらに,どのような生活機能設計が望ましいかという規範や考え方の整理を通じて,生活支援システム/サービスの開発や評価の方法論やあり方を明らかにする研究を進めています。一方で、生活支援システム/サービスを現実社会で機能させるためには、このような生活機能デザインの技術体系だけでなく、社会体系の構築も不可欠です。そこで、生活支援システム/サービスを社会で機能させたり、生活支援システム/サービスの継続的な開発・評価・改善を可能にするために、新たなステークホルダー・ネットワークを構成する技術などの社会システムのデザインに関する研究も行っています。

研究テーマ

子どもの傷害予防工学

生活デザイン支援技術(生活機能構成技術)

人間の日常行動のモデリング技術

人間の日常行動のセンシング技術

健康増進・安全生活環境技術(Enabling Envoronment)

文献リストなど