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研究内容

手の寸法に基づくデジタルハンドファミリー

概要

手で操作する製品の、設計段階における事前評価の道具として、手のコンピュータマネキン、すなわちデジタルハンドが有効と思われます。 事前評価のためには、様々な大きさとプロポーションの手をコンピュータの中に再現する必要があります。 人体寸法から、分布の周辺にあるコンピュータマネキンの体形を再現する手法を使って、日本人の手の個人差の95%をカバーする、9体のデジタルハンドファミリーを生成しました。

コンピュータマネキンのバウンダリーファミリー

Bittnerら(1986)による方法です。 m個の人体寸法をn人の被験者について測ります。 これを因子分析することにより、互いに相関をもつm個の寸法が持つ情報を、互いに無相関な2個の因子がもつ情報に要約します。 第1因子、第2因子の得点に基づいて散布図をかき、被験者の95%がその中にはいるような確率楕円を考えます。 分布の中心にいるのが平均(9番)です。 確率楕円の式とX軸、Y軸の式、その中間にある直線の式から、第1因子、第2因子の軸との交点にいる形態(1, 5, 3, 7番)、2つの軸の中間にいる形態(2, 4 ,6, 8番)がもつべき因子得点を計算します。 因子得点から、寸法を算出します。

コンピュータマネキンのバウンダリーファミリー

手の寸法計測

男性35名、女性22名について、伝統的な手計測により、25の寸法を測りました。 右図のようなリンク構造を想定し、指節リンクの長さを推定するための寸法も測りました。全部で39項目を用いて因子分析を行いました。

手の寸法計測 手の寸法計測 手の寸法計測

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因子分析の結果

第1因子は指の長さに関する因子、第2因子は関節の幅や手の厚みに関する因子でした。 散布図で、右にいくほど指が長く、左にゆくほど指が短くなります。 上にいくほど関節が太く、下にゆくほどきゃしゃになります。

男性と女性ははっきりと分かれました。 設計する製品がファッション用の手袋のように男女別々のものならばデジタルハンドも性別に作る必要があるかもしれませんが、手で操作する大部分の工業製品は、男女共用です。 右図の位置にあるバウンダリーファミリーの寸法を計算しました。 平均形態(9番)は、男性にとっても女性にとっても分布の端になります。

因子分析の結果:散布図

デジタルハンドファミリー

計算された寸法を表示するため、市販のソフトウェアPoser(Curious Lab. Inc.)を使いました。

Poserで表示されたデジタルハンドファミリー

文献

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