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クリエイティブ産業活性化ワークショップ
−デジタルコンテンツでクリエイターとユーザをつなぐー

開催にあたって

20世紀後半に日本の輸出を牽引してきた産業が苦境に立たされています。 これらの既存産業の再興とともに、新たな産業創成が渇望されています。 その新産業として、クリエイティブ産業が注目されています。 クリエイティブ産業とは、優れた工業デザイン製品、伝統工芸品、コンテンツ(マンガ、アニメ)、ファッションなどの産業を指します。 一般にクール・ジャパン製品として認識されているものです。 これらの製品は、すでに海外で高い認知度をもっていますが、産業としての戦略性は十分ではなく、個々のクリエイターの才能や努力に大きく依存しています。 産業として創成していくには、(1)ブランディング:高品質製品の開発と差別化、(2)ディストリビューション:それらの製品の魅力の伝達と販売網、(3)クリエイション:それを支えるクリエイターの発掘と育成、の3つを整備し、それを担う拠点を形成していく必要があります。 そこで、東京湾臨海部(東京区部、神奈川臨海部)に技術と才能を結集し、クール・ジャパンの世界的産業拠点としようというのが、このワークショップ開催の背景にあるグランドチャレンジです。

今回のワークショップでは、クリエイティブ産業の中でも、主に工業デザイン製品に焦点を当てます。 単に機能性と意匠性を兼ね備えると言うだけでなく、少子化や高齢化、エネルギー問題など日本が先駆的に抱える社会問題の解決に資するデザインが産み出されています。 生活の中での子どものケガを予防する「キッズデザイン」や、省エネ・省資源を手助けする「エコデザイン」、高齢者・障害者でも使えるようにする「アクセシブルデザイン」などは、日本発のデザイン思想として認知されてきています。 これらのデザインを支える基盤を整備して、ブランディング、ディストリビューション、クリエイションの拠点を形成するにはどうすべきか、をディスカッションすることがワークショップの狙いです。

ワークショップでは、このデザインを支える基盤として「コミュニケーション」に注目します。 最近注目されているソーシャルネットワーク(SNS)や、あるいは、スマホや店舗などでのインタラクティブなメディアを活用したコミュニケーションで、クリエイター同士をつないだり、クリエイターとメーカ(製造者)をつないだり、さらには、クリエイターとユーザ(使用者)をつないだりできます。 ユーザ自身がクリエイションに参加することも出てくるでしょう。 ユーザ生まれのクリエイターも、プロのクリエイターたちも、より密接にユーザと接触し、彼等の使用価値を知って、新しいデザインを産み出していくでしょう。 そのデザインアイディアを容易にデジタル設計物として形作れるツール(CG、CADや、仮想ユーザテストを支援するデジタルヒューマン)や、そのデジタル設計物をすぐに試作品に実体化してくれるFAB LABO(ラピッドプロトタイピング、デジタル編み機など)が、それを支えます。 それらの試作物がメーカとの連携で量産化され、その魅力をデジタル媒体を通じてユーザに伝達できれば、大きなディストリビューションの力を持ちます。 製品の魅力(機能や価値)を伝達する際には、差別化を図るガイドラインも必要でしょう。 それらがブランディングを支えます。 これらのネットワークや、FAB LABO機能、ディストリビューション機能を東京湾臨海部に備え、クール・ジャパンの世界的産業拠点にしていこうという壮大な構想です。

このような夢と構想に基づいて、今回は、ゲストスピーカーとして、工業デザイナー(田子學氏)だけでなく、コミュニケーションメディア(遠藤諭氏)、クリエイションツール(劔持秀紀氏)、カスタマーコミュニケーションとガイドライン作り(堀内仁氏)、これらの総合企画デザイン(高橋憲行氏)を専門とする方々をお招きしました。 開会に際して、クリエイティブ産業を所掌する経済産業省からも講演をいただく予定です。 皆さんの講演と、パネルディスカッションを通じて、東京湾臨海部を拠点としてクリエイティブ産業を活性化していく道を探ります。

年度末でお忙しいことと存じますが、万障お繰り合わせの上、ご参加いただきますようお願い申し上げます。

持丸 正明
独立行政法人 産業技術総合研究所
デジタルヒューマン工学研究センター センター長

参加登録

事前参加登録は終了しました。

開催概要

日 時: 2012年3月23日(金) 13:00-17:40 (受付開始:12:30)
場 所: 地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター中二階 東京イノベーションハブ
受付:1階中央付近の階段下の特設受付
定 員: 120名
参加費: 無料
主 催: 独立行政法人 産業技術総合研究所 臨海副都心センター
共 催: 地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター
財団法人 デジタルコンテンツ協会
後 援: 経済産業省 関東経済産業局
東京商工会議所

タイムテーブル(演題、概要は準備中)

13:00-13:10 開会挨拶 (独)産業技術総合研究所 臨海副都心センター 所長 八木 康之
13:10-13:20 来賓挨拶 経済産業省 関東経済産業局 地域経済部 部長 増田 仁
13:20-13:40 特別講演 経済産業省 商務情報政策局 クリエイティブ産業課 デザイン政策室 室長補佐 三原 龍太郎
13:40-14:05 基調講演 「クリエイティブ産業を臨海拠点で活性化する −デジタル支援と拠点化支援−」
(独)産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター センター長
持丸 正明
クリエイティブ産業を臨海拠点で活性化するために、(1)ブランディング、(2)ディストリビューション、(3)クリエイションを支える基盤技術を整備していく。 (1)としては製品の機能や有効性を認証しユーザとコミュニケーションしていく方策を、(2)としてはユーザとクリエイターをつなぐネットワーク技術を、(3)としてはクリエイターや、あるいはプロシューマーが容易にデザインに参加できるようなデザイン支援ツールの開発について、その動向と将来展望を述べる。 これらの「どこでも誰でも自由に利用できる」デジタルデザイン支援に加え、「ここだけにある」人的ネットワークや試作制作支援を拠点化する構想を提案する。
 
14:05-15:05 休憩  
14:15-14:30 講演 「産業を変えるデザイン」
(株)エムテド 代表取締役・アートディレクター・デザイナー 田子 學
産業のスピード化が進み、事業計画はクオーター単位の短期戦略ばかりに注力されているが、物をつくれば売れる時代は終焉を迎えた。 今必要なのは従来の産業カテゴリにとどまる事なく、枠組みを超え横断的にアイデアを創出し、長期戦略に基づいた第六次産業を築きあげる事。 今こそクリエイティブの力が大いに発揮される!
 
14:30-14:45 講演 「日本のコンテンツの生態系とエレクトロニクスとの関係」
(株)アスキー・メディアワークス アスキー総合研究所 所長 遠藤 諭
カラオケやファミコン、ハローキティやドラゴンボールが、日本文化として世界に広がったのは1980年~1990年代。 米国でコンピュータに傾注したマイクロエレクトロニクスが、日本では民生品に浸透。同じ時代に、コミケットがコンテンツの裾野をとてつもなく広げ、ニコ動へ。 日本のコンテンツとエレクトロニクスの共時性と、これから求められるものは何か?
 
14:45-15:00 講演 「歌声合成と新しい音楽」
ヤマハ(株) yamaha+推進室 Y2プロジェクト 開発担当主管技師 剣持 秀紀
昨今、歌声合成技術に注目が集まっている。 動画投稿サイトにはアマチュアのクリエータたちが歌声合成ソフトを使って創った楽曲に溢れている。 本講演では、歌声合成技術VOCALOIDについて概要を説明し、それによって作られた新しい音楽について紹介する。
 
15:00-15:15 講演 「人口減時代の産業の成長へ、デジタルコンテンツの役割は大きい」
(株)企画塾 代表取締役 塾長 高橋 憲行
人口減による経済停滞を、当たり前のように標榜するケースが多いが、対策は多々あり、その中核に、デジタルコンテンツが座る。 農林漁業を支援するロボットやコンテンツ、多様化するエネルギーや交通体系システム、今後の急成長が期待される観光業にクリエイティブなデジタルコンテンツが飛躍的な役割を果たす。
 
15:15-15:30 講演 「QOL視点でのマーケティング思考
~産業技術活性化とコンテンツビジネスの関係性について~」
(株)デルフィス 介護総研 シニアプロデューサー 堀内 仁
QOL(Quality of Life/生活の質)視点で、企業と生活者のニーズに応えるマーケティングメカニズムを考察する。 QOLは、健幸度・充実度・人間関係度・ゆとり度の4つの領域で評価・測定をする。 人々はもう、物乞いはしない。 生き方を探している。 QOLを高める生き方の探索に、サービス産業としてのコンテンツビジネスの役割は大きい。 QOLを高める産業技術とコンテンツビジネスの関係性について、提示する。
 
15:30-15:40 休憩  
15:40-17:30 パネルディスカッション
モデレータ持丸 正明(産総研)
パネリスト
  • 田子 學 (エムテド)
  • 遠藤 諭 (アスキー・メディアワークス)
  • 剣持 秀紀(ヤマハ)
  • 高橋 憲行(企画塾)
  • 堀内 仁 (デルフィス)
  • 順不同、敬称略
17:30-17:40 閉会挨拶 (地独)東京都立産業技術研究センター 理事長 片岡 正俊
問い合わせ先: 独立行政法人 産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター
住 所: 135-0064 東京都江東区青海2-3-26 独立行政法人 産業技術総合研究所 臨海副都心センター 本館
電 話: 03-3599-8192, 8201
ファックス: 03-5530-2066
E-Mail: creative-2012@m.aist.go.jp