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研究内容

Homologous Body Modeling

デジタルヒューマン研究センターでは、形状を相同モデル化し、統計的に分析する方法論を開発してきました。 相同モデルとしては、解剖学的特徴点に基づいて定義された断面、その断面上の特徴点や等分割点などによって構成された、数100点のデータ点からなる粗いモデルを使ってきました。 しかし、このようなモデルを作るためには、部位ごとにソフトウェアを開発しなければなりません。 どの部位の相同モデルも簡単に作れるようになれば、形状の利用はさらに進むでしょう。 また、全身の相同モデルを作りたいという要望もありました。

そこで、東京大学工学部の鈴木宏正研究室と共同で、細分割局面という方法論を用いて詳細な相同モデルを作るソフトウェアを開発しました。

細分割曲面とは

折れ線を一定の規則にしたがって分割していくと、最終的にはなめらかな曲線になります(図1)。 三角パッチで囲まれた面についても同様に、一定の規則にしたがって三角の辺を分割していくと、最終的にはなめらかな面になります(図2)。 ただし、なめらかになった形状データは、最初のポリゴンで構成されたデータよりも一回り小さくなってしまいます。

図1: Chaikinのアルゴリズムによる曲線の生成
図1: Chaikinのアルゴリズムによる曲線の生成
図2: Catmull-Clark細分割曲面の例
図2: Catmull-Clark細分割曲面の例
(鈴木宏正「自由形状を表現するサブディビジョンサーフェスモデリング」日本機械学会誌 2001.4 Vol.104 No.989 fig.1)

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HBMによる相同モデリング

まず、基本となる粗い相同モデルを用意します。 これは、何らかの方法で作らなければなりません。 一番簡単な方法は、形状スキャナでとったデータを粗くしていく方法です。 以下の例では、これまで使ってきた足の粗い相同モデルを基本モデルにしています。 この基本モデルは、ランドマークの位置情報をもっている必要があります。

次に、相同モデルを作りたい詳細形状データとランドマークの位置データを用意します。 これは、形状スキャナでとった点群データです。

HBMは、基本モデルを細分割しながら詳細形状データにフィットさせていきます。 このとき、基本モデルのランドマークの位置は、詳細形状データのランドマーク位置にできるだけ近づくようにします。 図3はこの過程を示しています。 最初は基本モデル(Genric model)と詳細点群データは大きくずれています(図3左)。 細分割を4回繰り返した段階では、ランドマーク位置はほぼフィットしており、相同モデルもかなり詳細になっています。 しかし、まだ指先やかかとの部分はフィットしていません(図3中)。 16回細分割を繰り返すと、基本モデルと詳細形状データはほぼ一致します(図3右)。

図3: HBMによる相同モデリング
図3: HBMによる相同モデリング

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HBMの使用にあたって

形状スキャナで取得した詳細なデータをdecimationすることによって基本モデルを作る場合、最初の基本モデルが十分に細かいので、細分割を何度も繰り返す必要はありません。 細分割をやりすぎるとデータ点の数が多くなりすぎて、モデルに問題が生じることがあります。

このソフトウェアは、関節角度が異なるデータに対して基本モデルをフィットさせることはできません。 全身データのように関節角度が異なる可能性のあるデータに対しては、別のソフトウェアが必要です(現在開発中)。

詳細な相同モデルの統計的分析

変異を調べるなどの目的ならば、HBSの多次元尺度法版、主成分分析法版の両方が使えます。 しかし、代表形態の算出をするならば、主成分分析版が向いています。 データ点数が多くなりすぎる、形状が複雑すぎるなどのため、多次元尺度法版では代表形態をうまく計算できないためです。

ソフトウェア基本仕様・販売

本ソフトウェアは、(有)デジタルヒューマンテクノロジー社から2006年4月より販売されています。 (有)デジタルヒューマンテクノロジー社は、産総研ベンチャーです。

文献

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