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研究内容

対話的操作をともなう人体運動の合成

背景

本研究では、限定された計算時間内で幾何的拘束条件を伴うアニメーションを合成する手法を開発した。

このような短い時間でのキャラクタアニメーションの生成は、ビデオゲームなどの対話的なCGアプリケーションにおいて必要とされている。 こういったアプリケーションでは、アニメーションは既存の短い運動パターンを変形して結合することによって生成される。 このとき、運動パターンは、「歩く」「走る」「ジャンプする」などの運動状態によって分類しておく。

問題

キャラクタの運動状態が変化したときには、2つの運動パターンの間をスムーズに変化させ、もとになる運動パターンの特徴と自然さを損なわないようにする必要がある。 これに加え、運動するキャラクタの周囲の環境によって与えられる外的な拘束条件に対応するため、幾何的拘束条件をも満足するように運動パターンを変形しなければならない。

対話的なCGアプリケーションではモーションの計算にあまり時間をかけることができないため、状態遷移の途中で姿勢を表わすパラメータの補間を行う場合には、高速なアルゴリズムとして関節角を単純に線形補間する手法が一般的に用いられている。 そのため、生成されたモーションは位置や速度がすべったり足先の位置などの幾何的拘束条件が満たされなくなるといった不自然なものになる場合がある。 また、そのような不自然さを解消するためには中間状態のモーションパターンを数多く追加する必要が生じる。

segment and keys

Method

本研究では、運動に対する拘束条件を限定し、また、質点による姿勢表現形式を用いることによって軽量なアニメーション合成手法を実現した。 質点による姿勢表現を用いたInverse Kinematicsの手法を利用することにより、キーフレームの姿勢変形を高速かつ安定に行うことが可能になる。 また、運動パターン全体の変形はフレーム毎の計算に時間的に分割し、毎フレームの姿勢変形は質点軌道の変形として計算できる。

この手法を利用することにより、運動パターンを用いた対話的なCGアニメーションの生成においてより自然な運動の変形を行うことが可能になる。 また、その結果として生成される画像の品質が向上し、あらかじめ準備が必要となる運動パターン数の削減による制作コストの低減が期待できる。

steps

本研究で開発した手法によって骨のキャラクタを用いたアニメーションを生成した。 このアニメーションは短い運動パターンから合成されており、30Hzでのモーションキャプチャによる運動データを短く分割して運動パターンとした。 位置と速度の連続性を拘束条件として与えてパターンを変形することにより、運動パターン間の小さな不連続性を解消する。 また、足先と床面との接地の拘束条件を満足させるために運動パターン全体を変形する。 このアニメーションの1フレームを計算するために、Intel Pentium4 (1.7GHz)を用いて0.2m秒の計算時間を要した。 これは30Hzでの運動生成に利用可能な計算時間の0.6%である。 この手法を用いることにより、元になる運動パターンの特徴をそこねることなく任意の長さのアニメーションを即時に生成することが可能である。

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